2018年1月9日火曜日

目次/ただいまの状況

小沢健二さんの連載寓話『うさぎ!』の感想を綴るブログです。2018年もどうぞよろしくお願いします。



✦2017年10月31日:小沢健二の連載小説『うさぎ!』はどこで買える?
✦2017年10月:『子どもと昔話73』うさぎ!休載

✦2017年2月27日:2017年2月の小沢健二さんにまつわる出来事たち
✦2017年冬号『子どもと昔話』うさぎ!第43話
✦2016年11月14日:『子どもと昔話69』うさぎ!第42話
✦2016年夏号『子どもと昔話』にては『うさぎ!』休載
✦2016年7月5日:魔法的を語り合う 縦書き版はこちら
✦2016年5月27日:魔法的
✦2016年4月20日:2016年春号の『子どもと昔話』が届きました

✦2015年9月2日:64号(うさぎ!39話)を読んで
✦2015年7月24日:小沢健二の『うさぎ!』とは?
✦2015年6月15日発行 『MONKEY Vol.6 音楽の聞こえる話』に小沢健二さんがエッセイを寄稿。

大きな反響を呼んだ「第24話 原発について」は、著者公式サイトで読めます(うさぎ!第24話ネット公開によせて)。痛みについての「第9話」抜粋も。

 本サイトの目次


以下、各話のタイトルは著者による表現ではありません。分かりやすさのため、私・サイト記述者が勝手につけたものです。ご了承ください。
印=人気記事(アクセス数を根拠にしています)

第1話 昔むかし、あるところに 
第2話 旅立ち
第3話 灰色の演説
第4話 「資本主義」はまともに存在していない
第5話 水
第6話 ジャーナリスト/ここまできた世の中だからこそ
第7話 時と空間がくっついて、離れがたくなっているもの
第8話  坑道で 
第9話 坑廃水
第10話 絵本の国
第11話 食
第12話 NPM
第13話 善意でめっちゃくちゃ
第14話 メディア
第15話 パレスチナ問題
第16話 ホワイトサプレマシー
第17話 「○○との戦い」
第18話 戦いの一局面が、終わる
第19話、第20話 小沢健二に聞く 
第21話 メキシコ
第22話 もう古いの計画
第23話 エジプト革命
第24話 原発 
第25話 ロサンゼルス
第26話  第1話を再録
第27話 スチャダラパーの三人が『うさぎ!』をめぐって語る 
第28話 白人優越主義 
第29話 選挙
第30話 「低関心」と広告 
第31話 現実は意思でつくられる 
第32話 大雑誌・大新聞の記事と広告
第33話 広告は若者に忠誠心を植え付ける
第34話 日米「同盟」
金曜の東京
第35話 戦後の再デザイン
第36話を読書中(10月22日追記)
戦後の絵本の国のこと

 灰色という名づけの妙 
 なぜ「絵本の国」か
 なぜうさぎか

 うさぎさんへ 『セラピー的な』読みました 
 小沢牧子さんの『「心の専門家」はいらない』を読みました
 泡について 
 痛みとしてのファッション(装苑のうさぎ!番外編を読んで)
 小説というより書簡として
 灰色とは? 

 引用先文献『脱資本主義宣言』を読んで 
 ラ・ホルナダ
 機械が人の上に立つ
 働くを思う 
 小沢健二さんに第一子誕生、現状と今後 
 ありがとう

 トランプを一枚報告書

2017年10月30日月曜日

小沢健二の連載小説『うさぎ!』はどこで買える?

小沢健二さんの『うさぎ!』はその一部が単行本としてまとめられたことがあり、ご本人のライブツアーのポップアップショップなどで買うことができました。ですが、普通の書店、本屋さんでは扱われていません。

『うさぎ!』が連載されている『子どもと昔話』という年に4回発行される冊子があり、こちらは大きな図書館に置かれていることがあります。京都のホホホ座さんや、下北沢の気流舎さんなど、少数のすてきな本屋さんにも並んでいるようです。

というわけで、『うさぎ!』を読まれたい方は大きな図書館に行ってみて『子どもと昔話』を探してみることをおすすめします。近くにすてきな本屋さんがある場合も探してみてはいかがでしょう。

もっと手っ取り早いのが『子どもと昔話』を購読する方法です。年に3千円台のお値段で、年に4回、冊子がご自宅に届きます。(ただ、現在:2017年10月、小沢さんは音楽活動においそがしいために『うさぎ!』を休載されています。)

2017年2月27日月曜日

2017年2月の小沢健二さんにまつわる出来事たち

「うさぎ!」「子どもと昔話」をご愛読のみなさま、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

さて、小沢健二さんの連載小説(寓話、エッセイのような物語)「うさぎ!」はここ43の季節において、ずっと、そっと、時に熱く、連載され続けてきました。

43の季節(余りあり)、読者のみなさんと小沢健二さんは場を超え、同じ場所にい続けたわけであります。

そういうわけで、小沢健二さんのシングルが久しぶりに売り出されてからよく聞く「お帰りなさい」に対して、「オザケンは帰ってきたわけじゃなくて、ずっといました、そこここに」と心の中で何度かつぶやいている今日この頃です。

朝日新聞に載った一面広告の文章、おもしろかったですね。2017年冬のうさぎ!第43話とのつながりを感じながら、感慨深く読みました。(公式サイト「ひふみよ」にも掲載されています。)みなさんはどう感じられたでしょうか。

ビバ、ガラパゴス!

この響きが妙によくなじんで、笑いたくなるような、勇気づけられるような気持ちがします。

日本人デザイナーのつくるデニムの話が、ラジオ「きらクラ!」に登場していました。日曜の昼下がり、お聞きになったでしょうか?(私は、子どもたちを遊び場に送迎しながら、遊びが終わるのを待ちながら、インターネットラジオで聞きました。ラジオ、どうやって聞くんだ?と思ったら、タブレットにちゃんと「ラジオ」というメニューが用意されていました。初めて使った機能。)

日本の人じゃない人が奏でる、雅楽。ジーンズ文化の人じゃない人がデザインする、デニム。そのときに際立ち、明らかになるもの。

自分たちが持っているものと、持っていないもの。人の脳は欠けた部分に意識が行くようになっていると誰かが言っていました(そうだ、学校の保護者講座に来ていた心理学の先生)。持っているものには無頓着になり、欠けているものに執着してしまう、確かにそんなところはあるような気がします。

日本の食パン、日本のデニム。そんな光を小沢さんと小沢さんのご家族が見つけて、こちらに光を返してくれる、そんなやりとり。光を鏡で反射させて、光の欠片を壁に映すようなそんなことに、無心になって、くすっと笑ってしまうんです。

同じようなことを、私は吉本ばななさんからも受け取っています。だんだん訓練されて、自分でも見つけられるようになっていけたらいいなと思います。日本のよさ、自分のよさに気づくドリル。

この課題をご一緒に。軽やかに、笑いながら。

2017年2月27日 春日ひまわり

2016年11月14日月曜日

子どもと昔話69 うさぎ!第42話 きららの断章連作

“切れていく人のつながり ”

うさぎ!の次のページに載る、下河辺牧子さんの『老いの場所から』 の一節。アメリカ大統領選挙の直後の今、何とも目に吸いつくような表現です。

花をつくる、世話する時間もなく、電気を吸い取らせた電子機器に何時間も向かう私たち。つながりは消え、街から花が減る……。ドイツでもその様子が見られると言います。

つながり。灰色の嫌うもの。灰色は断絶、孤立を好む。devideという単語を聞く今、灰色はにやにやとしているでしょうか。

もっと大きく、もっと強く。その願いを電気が叶えてきた。同時に、私たちは電気に縛られています。電気が止まればとても困る。ないと困るものは、私たちを縛ります。「縛られているなあ」と、気づく、思うスポットを与えてくれる、そんな『子どもと昔話』です。

集まること、つくること。団結すること。灰色が嫌うことを、日々、していきたい。スマートフォンも使いよう。何万人ものデモも起こせる。離れた仲間を1つのスクリーンに集めて、みんなで花火のような場をつくることもできる。

まだ誰も見たことのない一日を、みんなで迎える。今、何ができるかな。それは大きなことじゃなく、小さなことであるはずです。

春日ひまわり

2016年7月4日月曜日

魔法的を語り合う


目次

伝説の?
呪文
メッセージ
時間を変質させる振動
子どもと魔法

話し手、聞き手 オリーブ育ち・春日ひまわり、ティーカップの女の子・チャ


チャ「魔法的よかったね。」
ひまわり「よかったよね~。特に新曲が。」
チャ「みんなそう言うね。」

伝説の?

ひまわり「でもさ、『今日ライブ行くんです』『誰の?』『オザケンの』って言ったら、相手はね、ことごとく『……』ってあっけにとられた顔で言葉を失うんだよね。」
チャ「『え……? あの?』みたいな。」
ひまわり「そうそう。みんなの中では、昔の神話の登場人物くらい遠いみたいで。」
チャ「あー……ね……。」
ひまわり「『今は子猫ちゃんって言わないんだってね。』とか。オリーブを読んでた友達からは、『おー! オザケン元気にしてる?』って聞かれた。彼女たちにとっては、けっこう近くて、少し遠くに住んでる遠い親戚の兄ちゃんくらいね。
 今の小沢健二さんの音楽は説明しにくくて困ったよ。ライブのあのよさを、伝えるのが難しくてさ。」
チャ「そうね…。昔とは違うんだけど、エッセンスは同じって感じかな。あえて言うなら。あとは『大人になってたよ!』とかか。」

呪文
ひまわり「今回のライブで一番印象的な心象画像は、スクリーンに映った歌詞。あの圧倒的な文字量に、とにかくまずすっごく圧倒された。」
チャ「難しい漢字もいっぱいだったね。」
ひまわり「魔法って……どこかまがまがしいでしょう。怪しげな、でもだからこそ気になる、惹かれるっていうか。
 あの、文字が歌より先に来る演出はかなり呪文ぽくて、本能的にやばいことが始まる感が出てた。」
チャ「あれだけ先にガンと来られると、つんのめるよね、気持ちが。前のめる。」
ひまわり「だからかな、実際に演奏が始まると、歌はスローテンポだったりするんだけど、煮詰まった濃い感じがしたよ。
 でも、歌詞が攻めてきて、前奏を心安らかに楽しめないという……。」
チャ「覚えなきゃ! ていう。」
ひまわり「ねー。次録音出るのいつかわかんないしね。」
チャ「でも歌詞が目で見えると、その歌のメッセージがわかりやすいよね。」

メッセージ

チャ「今回のメッセージって何だと思った?」
ひまわり「うーん、私は……『新しい世界をつくろう、新しいところをつくろう、一緒に。』かな。」
チャ「ふーむ。」
ひまわり「『飛ぼう、信じて飛ぼう、恐れずに。』
 『うさぎ!』を読んでいるから余計そう感じてしまうのかな。『みんな気づいて、もう気づいているんでしょ?』ていう叫び。
チャ「わたしは、覚悟っていうか、決心ていうか、そういうのを感じた気がしてるんだ。
 どの新曲も、小沢さんが生活の中で『あ、ここ歌にしよう』って感じてつくられてる気がした。
 だからこれからも、生まれるだろうなって。ああいう新しい歌たちが。それがうれしかったのかも。だから新曲の響きが特別だったのかな。」
ひまわり「それはあるかもね。もちろん、古い曲も大好きだけどね。ファンの人たちは……私も含めてだけど、聞きすぎて血肉になるのを通り越して、人格とか人生とかまで組み込んできてるからさ……。『うん、わかってるよ。大好きだよ。』っていう確認作業になってしまうところがある。おなじみの曲はね。単純に小沢さんのつくる新しい歌が新鮮だったのもあるよね。
 曲もよかった。重い音が気持ちよかったね。白根さんのドラムが最高だった、個人的に。見つめてしまったもの。大阪のアンコールよかったな……。」
チャ「ジャンルがわからないという意見も。」
ひまわり「そうだね。『うさぎ!』みたいね、なんて説明したらいいかわからない種類の音楽っていう。」
チャ「『魔法かけたるぞ!』っていう演者の皆さんの鬼気迫る感がすごかった。あのハルカさんなんて、自分がもう、音そのものになってたっていうか。木暮さんも素敵だった。一緒にジャンプしたよ。」
ひまわり「一体感。」
チャ「同じ歌を歌って、同じ踊りを踊ってね。」
ひまわり「今回歌い通しだったね。」

時間を変質させる振動

チャ「全力疾走するっていう心意気がうれしかったよね。」
ひまわり「ほら、音って振動じゃないですか。この体を震わすもの。私たちの歌も、ステージの人たちに届いてる。その丸ごとの振動。
 それを濃くして、エネルギーを時間に濃く注入して、違う時間をつくろうとしたのかもね。」
チャ「時間の流れがおかしかったよね。」
ひまわり「踊りと、光と、歌と……双方向の。交流、つながり。小沢さんはそれを重視しているから、ライブが本当に楽しいよね。日本の地方都市のお祭りみたいに、年に一回くらいは開催してほしい。」

子どもと魔法

ひまわり「魔法と子どもって親和性高いと思わない?
 ほら、子どものときって、今より魔法って言葉使ってたでしょう。ああ、あれは魔法で倒すんだよとかさ、魔法使いの本読んだとか。」チャ「あー、ホイミとか?」
ひまわり「ベホイミとか。アブラカタブラとかさ。テクマクマヤコンとか。」
チャ「確かに。」
ひまわり「今より子どものときのほうが魔法を信じてたと思う。でも大人になった今、そんなのあるわけないよって、聞かれたら答えるのが普通でしょ。」
チャ「まあね。」
ひわまり「今回『魔法的』でしょ? 歌詞見て、思ったの。子どもの目線や大人の目線、親の目線。全部引っくるめての、人という生き物の目線、そういう多面的な世界の見方が含まれてるなあって。
 サメとかさ、フクロウとか、みんな知ってるけど、まあ実際はさ、あんまり会わないものじゃない? 日常で。ジャム、ベーコン、くまのぬいぐるみ、は比較的会うか……。
そういうモチーフがどこか童話や絵本の世界観に近い気がして。はっきりした色味のモチーフとか、輪郭とか、目に見えそうな描写が多かったかなって。そういうところも子ども方面への接近なのかなと感じた。」
チャ「そうねえ。そういえば小澤征爾さんが指揮したのは「子供と魔法」っていう曲名だったね。」
ひまわり「そうね。今回、前と違う、新しさを感じた理由のひとつは、やはり小沢さんがパパになったっていう点なのかもしれないね。
 ほらさ、ちょっと前までは、親が噛み砕いた食事を赤ちゃんにあげるの普通だったそうじゃない?」
チャ「ああ、今のおじいちゃんおばあちゃん世代くらいかな?」
ひまわり「その上くらいかな。今は、衛生面、虫歯がうつるとか言って、推奨されてないけど。」
チャ「噛み砕いて、やさしくして提示した感じかな。」
ひまわり「でも、よかった。
 とにかく、よかった。オザケンをずって聞いて育って。大人になって。悲しいときに『LIFE』とかエンドレスで聞いてて。よかったと思った。確信できたんだよ、このライブで。
 何回聞いたらわかんないくらい聞いててよかったと思う。それで今こんなふうに人生を進めてて、また新しいオザケンが見れて、一緒に歌えてさ。前の曲の新鮮なアレンジも。
 私、間違ってなかったなー、っていう。」
チャ「そうだね。超間違ってなかったね。若い頃の自分、お目が高いね。」
ひまわり「うん。」
チャ「また聞きたいね。」
ひまわり「聞きたい。すごく聞きたい。 歌詞カードもほしい。」
チャ「この手に持てたら、またひとつ人生が丈夫になりそうだよね。」
ひまわり「うん。絶対。」
チャ「『導くよ! 宇宙の力。』」
ひまわり「また一緒に歌いたいね。」
(二〇一六年六月二十六日 春日ひまわり)